温度計に使われる非接触センサーとは

温度計に使用されているセンサーには様々な種類がありますが、測定物に直接触れることなく温度を計測できるのが非接触式センサーです。

単に対象物に触れずに温度が計測できるだけではなく、リアルタイムで広範囲の温度を相対的に計測できるという特徴があります。そのため、測定物が動いている場合や、衛生面や安全面などの観点から測定物に触れることができない場合などに広く使用されています。

しかし、表面温度しか測れないことや、レンズや反射鏡に汚れやくもりがある場合は、本来よりも温度が低く計測されてしまうなどのデメリットがあるため、使用する場合は注意が必要です。非接触式センサーが搭載されている温度計は、主に放射温度計とサーモグラフィの2種類存在します。放射温度計には、対象物体のどの部分を計測しているのかが一目でわかるレーザーポインター機能が備わっているものや、防塵や防水機能が備わっているものなど様々な種類があります。

また、サーモグラフィは、通常の可視光カメラで撮影した画像に対して、物体の表面温度の色を付加することで、視覚的に分かりやすくしたものです。医療現場でも使用されることも多く、一般的に、赤色になるほど表面温度が高くなり、青色になるほど表面温度が低くなります。非接触式センサーが、測定物に触れることなく温度が測れるのは、測定物から放射されている赤外線エネルギーを利用しているためです。赤外線は可視光よりも波長が長く、熱を持った物質からは必ず放射されている光なのですが、物質から放射される赤外線エネルギーは熱量と比例するという特性があります。この特性を利用することで、非接触に温度を測ることができるのです。

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